メルファ・人形残酷(?)物語2-2
「メルファの子どもたちと大違いだ。でも、これだけ立派になるまでに相当の時間がかかったのでは?」
「うんや、半年で立派な成果を出しておる」
「ザーマス家の家系は昔から厳格ですからね」
「んなもん、関係ないわい。子どもたちを立派にするしないは…母親の気持ち次第じゃからのう」
「そうかも、しれないけど」
頭をかくジャック。
「ううん? 何か、心配事でもあるのか?」
「ええ、あります」
「何じゃ、話してみぃ」
「母親であるメルファ自身が、私たちを子どもたちに近づけようともしないから、どうにもならないんです」
「問題はそこじゃの。
何故、子どもたちを隔離状態にするのか」
「我が子を守ろうと、必死になっている」
「そうだったら、神経質になり過ぎておるの」
「母親ですからね、仕方ないでしょう」
「ワシは他にも、理由があると思っとるがの」
「どんな理由が?」
「分からん。あの神経質な母親人形が何を考えておるのか探らん事には、答えが出せん」
「まさか、会長ご自身が」
「ワシではなく、ベテランのアドバイザー人形を派遣させるつもりじゃ」
「スザンヌ主任とガーレット指導員ですね?
大丈夫でしょうか?」
「心配するな、彼女たちに任せい」
「…」
不安だ。
マルセルの言う事でさえ聞かなくなってしまったメルファが果たして…
協会側の指導を受け入れるかどうか?
ジャックは不安になっていた。