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エリザベスドール
【ホラー その他小説】

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メルファ・人形残酷(?)物語-1

 グローバスランド


 遥か北の大地に広がる自然豊かな国。

 一年中寒くて、冬になると深い雪に覆われてしまうと言う所である。

 この国では、人間と人形とが互いに共存し合って暮らしていた。

 この国の人形たちは人間のように喋ったり…

 動いたり…

 食べたりする生きた人形たちが多い。

 首都アイスノン郊外に住む大富豪のマルシア・クルーと一緒に住む人形もその中の1人だ。


 身長が約145a…

 小さな顔に、カールがかった長い金髪…

 宝石のようなパッチリとした眼…

 キリリと引き締まった口元…

 スラリとした体格…

 その美しい姿で多くの人々を魅了している。

 彼女の名はメルファ・クルー。

 まるで、お姫様のように可憐な人形である。

 明るく活発な性格で、いつも元気。

 常に前向きな行動で、積極的に頑張って生きているのだ。

 ただ、彼女は…



 まあイイ。

 段々とメルファの性格が分かって来るだろうから。

 メルファはマルシアに、家族同然に可愛いがられていた。

 良家の令嬢の如く、毎日楽しく贅沢に暮らしているのだ。

 メルファも、人形冥利に尽きるだろう。

 それなのに…

 どこか、寂し気だ。

 マルシアが理由を尋ねてみても、メルファは何も答えてくれない。

 特注のステキなお部屋を用意してあげた。

 豪華な家具や衣装も与えてあげた。

 美味しいご馳走を毎日、お腹いっぱい食べさせてあげている。

 何不自由ない生活をしているのに、どうしたのだろう?

「いったいどうしたのメルファ?」

 2人だけの語らいで、マルシアはメルファに質問してみた。


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