メルファ・人形残酷(?)物語-5
ウィアンッ! ウィアンッ! ウィアンッ!
まだ泣いているレレ。
「ハイハイ、泣かないの泣かないの。今からママの所へ連れて行ってあげるわよォ」
人間の赤ん坊を扱うようなやり方で、マルシアはレレをあやす。
しばらくすると…
レレは段々と、泣くのを止めた。
「ミャハ!」
マルシアに抱かれて気持ち良いのか…
レレは穏やかな表情を見せた。
こんなに笑顔がステキだとは!
マルシアは益々、子供たちの事が好きになった。
さっそく、レレをメルファママのいる人形部屋に連れて行く。
部屋のドアを開けようとするが…
アレ?
開かない!
何と、ドアの内側から鍵が掛かっている!
夜の就寝の時以外、メルファは滅多に施錠しないのに何故だろう?
ノックしてみる。
「メルファ、私よ!
ドアを開けてちょうだい!」
……
返事がない。
「メルファッ! メルファッ!」
返事がない。
もう1度、ドアをノックしてみる。
すると…
ドアが開いて、メルファが顔を見せた。
「…」
何だかメルファ…
マルシアを見つめる表情が、どこか冷たい。
「どうしたちゃったのォ? カギなんか、かけちゃったりして」
「…」
何も、返事をしないメルファ。
「可愛い子ちゃん、1人忘れてるわよ」
マルシアは両手で持っているレレをメルファに見せた。