メルファ・人形残酷(?)物語-2
「…」
メルファは黙り込んで、何も返事しない。
マルシアはジッとメルファの顔を見つめる。
なるほど…
そうなのネェ。
うなずくマルシア。
「1人ぼっちでいるのが、とても寂しいのかしらメルファ?」
ずっと目をそらしたままだったメルファが、初めてマルシアに振り向いた。
「マルシア…様」
ニッコリと微笑むマルシア。
「ボックル会長に頼んで、ステキな男性を紹介してもらおうかしら?」
メルファは喜ぶと思いきや、無表情で目をそらした。
「ゴメンナサイ。
私ィ、男ナンテ…」
「男なんて?」
「必要ナイノ」
「どうしてなの?」
「興味、ナイカラ」
へえ、珍しい。
人形のメルファだって、立派なレディ。
恋愛とかに関心しめす年頃なのに、男に興味ないとは…
「じゃあ、誰を欲しいのかしら?」
「子供」
「結婚もしないのに?」
「子供タチニ、囲マレル、ダケデ、イイノ」
「じゃあ、どんなタイプの子供がイイ?
男の子? 女の子?」
「私ニ、ヨク似タ、可愛イ女ノ子ヲ沢山、欲シイワ」
「そう、分かったわ」
メルファの20歳(20年前に作られたから)の誕生日のプレゼントとして、子供たちを用意する事をマルシアは約束した。
希望が叶えそうのか…
メルファは嬉しそうな表情を見せた。
でも内心では…
(私ノ言ウ事、何デモ聞クシ。本当、単純バカダワ)とまあ、マルシアに軽蔑な思いを抱いているのだが…