戸惑いの日々-4
「―――先生にはちゃんと、ステキな人がいたんじゃない…」
そう声に出したら、もう立ってられなくて、私はその場にしゃがみこんだ。
その時―――しゃがんだ私の腕を、うしろから誰かが掴んだ。
『ゆり…こ…。待て―――っ・・て……言ったろ?』
ハァハァと息切らした先生の声…
あの人を置いて、追い掛けてきてくれたの?
素直にうれしかった!
…でも先生っ、もう私を苦しめないで!
これ以上つらい思いはしたくない!
だから、私は覚悟を決めてこう言ったんだ!!
「大事なあの人のところに戻ってあげて…」
そうしたら、先生が珍しく声を荒げた!!
『―――由里子違うんだ!………もう終わったんだよ!!だから戻らなくていい…』
先生はそう言うと、私を腕に抱き寄せた。
先生の腕の中は、あの日と同じで…
あったかくて力強くて、いい匂い…
「―――終わったの?」
『そう…』