……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-61
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財布を見るも野口英世が三人程度。精算機が示す金額は四千円で若干人手不足。
「だっさ。普通ホテル代ぐらいスパッと払いなよ……」
笑いながら樋口一葉を機械に挿入する彼女。お釣りを受け取るとそのまま出口に
行ってしまう。
「先輩、半分出します!」
「いいよ。君は昨日たくさん出したし……」
彼女らしくない卑猥なジョークに紀夫も苦笑い。
「それに……借りを作っておいたほうがいいよね……」
振り向く彼女の表情は輝く朝日でよく見えないが……、一瞬見えたそれは今まさに
昇るものを思わせる笑顔。
「私、諦めないから紀夫君もそのつもりでいてよ」
「え? 先輩、それって……」
そういって走り出す彼女を、紀夫は見送っていた……。
続く