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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-3

 季節はずれの金木犀とバニラの匂い。ケチな理恵のことだから足りない香水をブレ
ンドしているのだろうか? それに女性特有の甘い匂いが重なると、首を傾げたくな
るフレーバーになる。

「ねえ、今日パパもママもいないだけど……、勉強教えてあげよっか?」

 ――理恵さんが……?

 しかし、すぐに思い至ると、その甘美な誘惑に逆らう気などあるはずもなかった。

**――**

 市営住宅の六階、三号室。玄関を開けたらアロエの鉢植えがお出迎え。
 半開きになっていた戸から理恵のと思われるジャージがはみ出していた。

「理恵さん、洗濯は?」
「ん? んーと、してないや」
「え?」

 笑顔で言い切る理恵に紀夫も呆気に取られる。小学校の家庭科ですら洗濯機の回し
方を学ぶのにと思いつつ、一方で濡れたままのジャージは雑菌の温床、繁殖したそれ
らが複雑な臭いを放ち始めている。

「しょうがないな……洗濯するよ……」

 まさか理恵の家でまでマネージャーの仕事をさせられるとは思わなかった紀夫で
あった。

 大型の洗濯機はボタンが複数ついており、お湯取り、水取り、脱水などの細かい設
定ができるもの。

 ――ワンタッチでいいのに。

 部室棟にある共用の洗濯機は二層タイプの古いもの。操作もタイマーを設定すれば
勝手に回って止まるというシンプルな一品。
 洗濯カゴにはびしょびしょなそれがたくさんあるところをみると、理恵も試してい
たのかもしれない。おそらく操作することに断念したのだろう。

 ――無理もないか……。

 点滅の度に不愉快な電子音のなる洗濯機を弄ること数分、紀夫は試行錯誤をしなが
らなんとか回すことに成功。終わる間に別のことをと理恵を探す紀夫。

「理恵さ〜ん」

 両親がいないとはいえ、よそ様の家なのでおっかなびっくりに歩くと、台所のほう
からだろうか? 味噌の良い匂いがしてくる。

「こっちこっち〜」

 廊下の突き当たりから理恵が顔を出す。彼女はピンクのエプロン姿でお玉を持って
いる。

「朝ごはんまだでしょ? 昨日の残りでよかったら食べてって」

 期待していた展開とは違うものの、お腹はぐうと情けない声を出す。
 理恵の料理の腕前は確か出来合いのものをお弁当に詰める程度だったが、果たし
て?


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