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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-24

「見てませんよ。信用してください」

 慌てて取り繕う紀夫に美奈子はさりとて興味を示さず、「提出してくるから」とそ
のまま事務室のほうへと行ってしまう。

「あらあら、美奈子ちゃんはご機嫌斜めね……」

 綾の後に隠れるような仕草をする紅葉だが、それは里美も綾も同じ感想らしい。

「なんかさ、今度は先輩がへそ曲げたんだよね……」
「そうなんだ」
「うん。まあ、練習は真面目にやってるし……」
「そうだ、それよりタクシー呼ばないと……」
「ん? なんだ、今日帰るのか……。残念だな」

 意味深な「残念」の言葉に紀夫は唾を飲む。

「じゃああたしと紀夫は電話……」
「電話ぐらい一人で行けるでしょ? ほらほら、里美ちゃんも綾ちゃんも練習しま
しょうね……!」
「あ、先輩……」
「ほらほら、マネージャー君はさっさと帰る。君の仕事は他にもあるでしょ?」
「はい……」

 紅葉のいう事はもっとも。けれど、彼女から言われるとそれはただのイジワルにし
か聴こえない。

 ――きっと先生もこんな気持ちだったのかな?

 紀夫は先ほどの悪行にわき腹が痛んだ……。

**

 山の天気は変わりやすい。それは葛城山系も同じらしく、紀夫が電話をしようと舌
頃には雷を伴う酷い雨となっていた。

 ――弱ったな、雷までなるなんて……。

 昔ながらのピンクの公衆電話に百円玉を入れ、早く繋がることを祈ること数十秒。

「はい、こちら相模交つ……」
「あの、タクシーをお願い……もしもし? もしもーし?」

 次の瞬間、激しい明滅とともに電気が消えた。

「え? 停電? 嘘……」

 外では雨粒が激しく窓を叩く。けれど電話口からは何も聴こえない。

「嘘、普通停電しても電話って使えるはずじゃ……」
「無理無理、ここの電話古いタイプだから……」

 先ほど紅葉に連れて行かれたはずの綾がタオル片手にやってくる。彼女は非常ダイ
ヤルを押すが、ピンクの電話は何も反応を示さない。紀夫は仕方なく受話器を置き、
お手上げとばかりに両手で天を仰ぐ。


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