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declare oneself
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declare oneself-1

君が好き

きっと君が想うよりずっと・・・

だけどまだ

この気持ちは届けない

君を想うこの気持ちは誰にも負けない

君を守りたいから

君が大切だから

そんな理由

臆病なだけかもしれないけど

今はただ君の側にいたいと願うよ



「おい宮原 佑奈、いつまでここに残っているつもりだ?それ
とも今日は学校で寝泊りする気か?」
ふいに声を頭上から掛けられびくりと体を震わせた後、声の主
である副担任の森山 愁を見上げる。
高い背を少し折り曲げ苦笑いしながらこちらを見ている。
「うわ、愁ちゃん、どうしたの?」
「どうしたの?じゃないだろ。お前、今何時かわかってるのか
?」
はぁ〜、とわざとらしい溜め息を吐きながら言う。
何時・・・。
言われてまず窓を見る。
おや?暗い。
次に教室の時計を見上げると6時45分を指している。
「もう7時か・・・。」
ぽそっと言うと
「違う・・・。もう8時になるだろ。」
呆れた声が聞こえた。
「・・・それと、森山先生だ。」

どうやら今まで本に集中していたせいか焦点がきちんと定まっ
ていなかったようだ。
どうも集中すると周りが見えなくなるというか、周囲を受け付
けなくなるというか・・・。
恐らく友達は声を掛けて帰ったのだろうが、それすら記憶にな
い。
今も、たまたまキリが良かったところで声を掛けられたのと彼
の声だから気付いたようなものだ。
「うわっ!帰らなきゃ!」
もうすぐ8時と知り慌てて読みかけの本を鞄にしまう。
バタバタと教室を出ようとして、「あ。」と立ち止まり
「愁ちゃん、またね!」
先ほどの「森山先生だ」との主張は軽く流して手を振る。
「おいおい・・・。」
大きな手が頭の上に乗った。
心臓がどくん、と高鳴る。
「重いよ〜。」
自分の気持ちを誤魔化すかのように頭を振り、手を払い退ける

「帰り歩きだろ?一緒に帰るか?・・・俺も駅まで歩きだし。

その申し出を断る勇気はあたしは持ち合わせてなかった。


あたしは愁ちゃんが好き。
この高校に入学式した時からずっと。
2年になって自分の副担任とわかってどれだけ嬉しかったか・
・・。


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