悲劇 佐々木麻衣-2
授業が終わって休み時間になり、クラスメイト達が教室に戻ってくると、竜也は何気なく教室に入っていったが誰一人竜也が遅刻した事に気付かず声を掛けてくる者はいなかった。
いつもの事なので何も思わず自分の席に座り、竜也はさっきまでの事を考えながら、彼女の方をジッと見つめていた。
友達と喋ってはいるがどこか困ったような暗い表情を浮かべていた彼女を見て
「元気ないね佐々木さん、そりゃあパンティが無くなっちゃったんだもんね、可哀想に」
そう心の中で呟き、竜也はそれからずっと授業中も休み時間までも彼女を目で追っていた。
そして気づいた…
今日の体育はプールだった為、彼女はおそらく体育着を持っていなかったのだろうという事に…。
何故なら休み時間になってもあまり席を立とうとしなかったり、席を立った時はスカートの裾を押さえ、決してスカートがめくれないよう気をつけて歩いていたからだった。
「それならもしスカートの中を撮影出来れば…」
そう考えてずっと片手に携帯を持って彼女をつけまわし掃除の時間、遂にチャンスは来たのだった。
両手でゴミ箱を持ち一人でゴミ捨て場に持って行く時の事だった。
ゴミ箱からゴミが転がって床に落ち、それを拾おうと屈んだ瞬間、後ろから竜也は音も無く近づき素早くスカートの下に携帯を差し込みカメラのシャッターを押した。
ピピッと鳴った電子音に麻衣は驚いて振り向いたが、竜也は彼女の反応を無視して携帯の画像を確認してイヤらしい表情を浮かべた。
それを見てスカートをサッと手でおさえて
「えっ、今何を撮ったの?」
と聞くと竜也はニヤニヤしながら言った。
「おぉっ、凄い物が撮れた、あれ?佐々木さんノーパンなんだ、ほら見てみなよ」
それを見て、みるみるうちに麻衣の顔が真っ青になっていった。
そこには屈んでいた為に陰毛から割れ目、更に微かだが肛門までアップで映っていたのだった。
「やだっ、ちょっと消してそんなの」
焦って携帯を取り上げようとしたが竜也はサッと手を引き
「駄目だよ、これ俺の携帯だもん、どうしようと俺の自由でしょ、そうだ、これクラスのみんなで見ようかな?」
そう言いながらジッと彼女を見つめた。
内心竜也はドキドキしていた。
インターネットで女性の性器は見た事はあったが、あの憧れの佐々木さんの割れ目をアップで見れた事、更には彼女が大騒ぎしてしまうのではないかということで…。
しかし彼女は竜也の腕を掴み必死の形相で
「ヤダ、お願い、止めて、ねぇお願い」
と哀願してきた。
それを見て竜也はニコリと優しい笑顔で
「じゃあとりあえず誰にも見せないからさ、放課後一緒に帰ろうよ、ねっ」
と言うと不安はあったがとりあえずは安心してコクリと頷いた。
そして放課後、二人は学校から少し離れた人気の無い所で会い、不安そうな顔の麻衣に向かって竜也は
「ねぇ佐々木さんの家って今誰かいる?」
と聞くと麻衣は困ったような顔で
「今誰も居ないけど、でも…」
と蚊の鳴くような声で応えた。
「でもこんな所で長話していたら誰かに見れるかもしれないよ、俺なんかと一緒に居る所なんて見られたく無いでしょ?」
そう竜也が言うと
「そっ、そんな事ないけど…」
と焦ったような顔で言い返したので竜也は更に
「でも佐々木さん今ノーパンなんだから風でスカート捲れたら大変でしょ、それに佐々木の家近いの知ってるんだからさ、早く行こう」
と言って彼女の手を引っ張った。
手をつないで歩いている所を見られたくない気持ちから麻衣は仕方無く
「わかったから、そんなに引っ張らないで」
と言って竜也を家に案内した。