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あるカップルの休日
【理想の恋愛 恋愛小説】

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あるカップルの休日-2

――――――――――

ケータイのアラームがうるさい。
あー、9時か。
私がいつも起きる時間。今日は休みなのに、アラームをOFFにしておくのを忘れてしまっていた。
なんか夢見ていたような....
なんかすごーく幸せな夢だったような....
アラームを恨む。
もう一度、このぬくもりがなくならない内に夢の世界へ戻りたい。
そうしてもぞもぞしていると、近くでおはよ、と聞こえた。
――――‥…
倦怠感や二度寝気分など、なんてすぐになくなった。
がばっと、さっきまで愛しかった筈の羽毛布団をめくり上げて上体を起こす。
じゅんくんが私の足元に座っていた。


『じゅんくん!!』

「おはよ、千夏」

『おはよ〜〜!!』


一緒のベッドで眠り一緒のベッドで目を覚ますのに、おはよう、おやすみの挨拶すらできない私達。
久しぶりの“おはよう”に眠気の吹っ飛んだ私は、顔も洗わず・歯も磨かずの状態にも関わらず抱きついた。
多分、私の前世は犬だ。今だってきっと、見えないしっぽが嬉しさでブンブンと振っている筈。


「アラーム鳴っても起きないようだったら、どうしてやろうかと思った。」


笑って彼はそう言った。
そっか....じゅんくん普段は6時に起きてるもんなぁ。今日もきっと、いつもの慣れでそのくらいの時間には起きていたんだろうなぁ。
この3時間、ヒマさせちゃってただろうなぁ....

待たせていた“ごめんなさい”と、じゅんくんの事だろうからゆっくり寝かせてやろう、とでも思っていたのだろう、その“ごめん、でもありがとう”で私の頭の中はいっぱいだ。
とにかく私はごめんね、すぐ準備する、と一言残し、急いでシャワールームへ消えた。





『あれ!?』


シャワーから上がると、朝食が出来上がっていた。
トーストとトマト入りサラダに、少し焦げた目玉焼きとウインナー。
なんて王道な朝食。


「ごめんね、まともな料理じゃなくて」


そうじゅんくんは苦笑いしたけど、とんでもない!
愛情がいっぱい詰まってるよー!!
私は思いきり抱きつくと、ごはん冷えちゃうよ?、と、軽くあしらわれてしまった。

朝食を一緒に食べ、一緒に食器を洗う。
私が洗った物をじゅんくんが拭き、戸棚にしまう。
こんなのを幸せと感じるのは、シアワセ者、とイヤミで誰かに言われてしまうかなぁ?
でもこんなやり取りだけでも、普段は1人でやるから余計に嬉しいんだ。


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