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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則B-1

――――イライラしている。
そんな自分に、イライラする。




隣人のかなことは、かなが生まれた時からずっと一緒にいた。
いわゆる、幼なじみというやつだ。
俺とかなは学年では4つ違うという事で、俺にとってかなは妹のような存在だった。

俺が中学に上がった時から、少し疎遠にはなったが。

まだ小学校中学年のかなが、俺にかまってくるのが鬱陶しくなったのだ。
俺はかなの面倒をみるよりも、同世代の男友だちと遊んだり、部活に励んだり、彼女と一緒にいたり....その方がずっと楽しかったのだ。
それでもかなは家庭の都合上、よく家には来ていたが。

かなが中学3年になり、親伝えで家庭教師をしてほしいと言われた時も、正直、煩わしかった。
どうして俺が、隣人というだけでかなに時間を奪われなくてはならないのか、と。
しかし、かなの両親には小さい頃たくさん良くしてもらっていたし、断る事はできなかった。


久しぶりにかなの部屋へ入った時は驚いた。
なにせ、小学校以来。もう5年以上かなの部屋に来た事がなかったので、色々な物が変わっていた。

ランドセルがなくなり、恐いくらいにたくさん置いてあったぬいぐるみもなくなり、かなりシンプルになっていた。
スタンドライトにはキラキラとゆれる装飾物。他にも窓やベッドの上からぶらさげるように、色々な所にまがい物の水晶がたくさん置いてある。かなはこういう物が好きなのか。
昔からマンガは好きだったようだが、月刊の少女マンガではなく単行本が棚にずらりと並べてある。中身は見ていないが、マンガのタイトルを読む限りでは趣向も変わったようだ。
部屋自体は、白とベージュと茶色を基調にした、なんとも落ち着きやすいカラー。
姿見が置いてある。隣に、ヘアゴムやアクセサリー、安っぽい化粧品の入った籐のカゴがあった。一丁前におしゃれしているんだな、と、まだ兄貴分の俺は笑みを浮かべていた。

まだそんな余裕があったのだ。かなをちゃんと、真正面から見るまでは。





正直、驚きを上手く隠せたか微妙だ。
こいつはこんなキレイな顔をしていただろうか。

いつからだ?全く気づかなかった。
まだ幼さは残っているものの、ぱっちりとはしていないが切れ長で二重の大きな目に、すっと伸びた鼻。それに薄い唇。
あと2.3年もすればもっと化けるな。そう思った。


しかし中身はそれほど変わっていなく、安心した。
勉強している時はかなり集中しており教え甲斐のない程学力もあり、しっかりしている子に見える。だが他では昔のまま、甘えっ子だ。
俺の知っている、隣人のかなだ、そう思いホッとした。

あんなのを見るまでは、かなはやはり、俺にとっては妹だったんだ。


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