Lesson xxx U G-2
「神崎さん」
授業が終わってすぐ南方先生に呼ばれた。
気まずい…。
仕方なしに一緒に廊下に出る。
「昨夜、征也がうちに来たわ」
先生が!?
また先生と別れろって言われるのかと内心身構えた。
「あなた、すごい子ね」
は?
「あの…?」
南方先生は言うだけ言って歩きだし、私は意味がわからずただ呆然とその場に立ち尽くした。
「榊先生。ちょっと相談があるんですけどいいですか?」
職員室にいた先生を呼び出す。
付き合うようになって以来、私が先生を呼び出すなんて初めてだ。
まぁ、付き合う前も呼び出す事はなかったんだけど。
先生と一緒に職員室を出て向かったのは進路相談室。
ここなら生徒と二人でもそんなに不自然じゃない。
扉を閉めて先生と対峙する。
「急にどうしたんだ?」
のんびりした口調で先生が問う。
「昨日、南方先生んちに行ったんだってね」
「彩がそう言ったのか?」
ボールペンを弄びながら私を覗き込む。
私が追及してるのに逆に追及されてる気分になるのは先生が余裕だからだ。
頷く私に先生がボールペンで頭を小突いた。
「お前が心配してる事なんて何もねーよ」
「しっ…心配なんかしてないもんっ!」
図星を指されてプイッと顔を逸らした。
「お前、分かりやす過ぎ」
先生が喉の奥で笑うからますます頭に血が昇る。
「だって…!」
「彩は何て言ったんだ?」
何てって…。