超最強嫉妬彼女 後編-4
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「なー、花耶」
「…」
無視して先を歩く花耶。
河原では子どもたちがサッカーをしている。
「花耶」
「…もういないって言ったよね!」
「……」
この一ヶ月、俺の携帯には相変わらず、この間のミキのように事情を知らない幾人もの女から誘いの電話があった。
もちろん、一人のときはすぐに自分から断っていた。
だが花耶はあんな性格だから、いつも俺にべったりくっついていて、電話がかかってきたときに花耶がいたことも多々ある。
そりゃ嫉妬深い花耶だから、一人一人、俺から関係を言わせて、その場でその連絡先を俺に消させていった。
在校生から卒業生、昔の相手やナンパ相手など、女だけで実に百人以上あった俺の携帯のメモリは、今ではほとんど消えてなくなった。
最初はうざかったが、まあ花耶ならしょうがないと思っていた。
気が付けば俺がこの恋愛にマジになっていた。
その気になれば花耶と別れたってよかった。
また今までの遊び人に戻るだけだ。
だが、今はもうそんなこと考えちゃいねえんだ。
俺には花耶しかいない。
花耶は可愛い。
手放したくない。
だがな花耶。
優子は…優子だけは違うんだ。