超最強嫉妬彼女 後編-3
「……」
“浮気していると今が楽しいか訊かれる”
「余所に女ができるとそう言って別れを促すんだよ!」
「ふざけんな!」
「うっ…ふえっ…」
「泣くな!つーか口からうどん出てる!」
ガキかお前は…
『浮気男の見分け方!』
本の表紙にでかでかと書かれたタイトルがやたら腹立つ。
「…まあお前もこんなんが楽しいならいいけどよ、もうちょい…」
話を終える前に、突然俺の携帯が振るえだした。
「……」
テーブルの上に開いて置いてあった携帯のディスプレイには…
「ユウコ?」
花耶が瞬時に俺の携帯を取り上げた。
「ばか!」
身を乗り上げるが花耶から携帯は奪いとれず。
「……公也、どうしたらいい?」
暗い顔で花耶は依然振るえている携帯を見つめる。
「返せ!」
「やだ!」
すると着信は止まり、画面には着信一件の文字。
「……誰?」
「…あー」
優子のやつ、電話すんなって言ったのに。
「別の女?」
まあそう言われるわな。
「ちげえ」
「じゃあ誰!」
花耶は暗い顔から一転、怒りを露わにしている。
「……」
「言えないんだね…」
花耶、違うんだ。そいつは…
「否定しないなんて最低!公也のばか!」
花耶はテーブルを殴って学食を飛び出した。
「…ついにばれちまったか」
俺は頭をかいて二人分のうどんを片付けた。
「…テーブルへこんでねえか?」
気のせいだと思うことにした。