超最強嫉妬彼女 後編-2
「私は公也の彼女だから!お互い愛し合ってるんだから邪魔しないでよ!」
今でもはっきりと覚えている。
花耶はただ嫉妬心からその言葉を言っただけなのかもしれない。
だがその効果は抜群で、それ以来、学園の他の女は俺に近寄らなくなった。
まあそれ以前に噂のせいでずっと女を抱くことはなかったけどな。
だが花耶の周りには、少しずつ女が集まってきた。
そして花耶にも友達ができたんだ。
紆余曲折あったが、ようやく全てがうまくいってきた。
***
「公也、学食行こう!」
「お前なあ、女なんだから弁当作ってくるとかねえのかよ」
「むっ」
「まあ料理できねえならいいけどよ」
「違うもん!私と公也のラブラブな姿を他の女に見せびらかしてやるんだから!」
花耶は頬を膨らましながら、ずかずかと前を歩いた。
「お前、もう一ヶ月もそれ言ってんじゃんか」
「うるさいうるさい!」
やっぱ可愛いな、花耶は。
学食。
半ば習慣化しているのだが、いつものように二人して一杯150円のかけうどんを食う。
学食でも、俺達の陰口を言う人間はいつの間にかいなくなった。
「……なあ花耶」
「んっ!ごほっ!げほっ!」
「……」
「はぁ…はぁ…うどんが喉につっかえちゃった」
「……」
「あれ?公也、顔中うどんだらけだよ?食べるの下手だね」
「…ふざけんな」
派手にむせてんじゃねえよ。
花耶を睨みながら顔にへばりついたうどんを一本一本取っていく。
そこでふと、前から考えていたことが頭を駆け抜けた。
「花耶、お前、今が楽しいか?」
「え?」
なんだか気になったんだ。
花耶は今のままでいいのか?
「なあ花耶、楽しいか?」
もう一度、花耶に訊いた。
「公也…」
急に神妙な顔をする花耶。
「なんだよ」
「浮気したでしょ!」
「はあ?」
どうしてそうなる。
「だって書いてたもん!見てよここ!」
花耶は本を取り出して開いてみせた。
どっから出した、その本。
花耶が見せたページにはでっかいドッグイヤーがしてある。