超最強嫉妬彼女 後編-10
「周りの雑音よりも、私は公也が他の女にとられることが嫌だもん」
「……花耶さん」
「優子、花耶はこんなやつなんだよ。世の中にはこんなやつだっている。優子もあの時は死にたくなるくらい陰口を吐かれただろうけどな、花耶も同じくらい言われてると思うぜ?」
「……」
「優子さんだって、強くなれるよ」
花耶は笑顔で言った。
「…うっ…うぅっ…」
優子は苦しそうに泣き始めた。
優子はずっとずっと大変な思いをしてきたんだ。
そりゃあ、泣きたくもなるよな。
泣き止むまで黙って見守っていよう。
「あ、私おしっこ」
「おしっこ言うな!!」
いつになっても花耶のマイペースというか、自由なところは変わらない。
「…部屋出て右だ」
マンションは同じ造りだから間違いないと思う。
「絶対?私我慢してるから違ってたら戻ってくる前に漏れちゃうよ」
「さっさと行け!!」
花耶は急ぎ足で部屋を出ていった。
「……公也くん」
部屋が静かになると、優子はようやく泣くのを止めた。
「ん」
「変な子だね…花耶さん」
「ああ…でも、あいつのせい…じゃなくてあいつのおかげで俺も女遊びを止めるきっかけになったんだよ」
本当はまだまだ遊び足りないはずなんだがな…
花耶といるとやっぱりもうどうでもよくなる。
「花耶さんは公也くんに似合ってるよ」
「……」
優子はそう言って、久しぶりに小さく笑った。
「ただいま!」
「おう」
「…おかえり」
優子はそう微笑んで言った。
どうやら優子の気持ちにも変化が出てきたようだ。
「優子さん!私、考えたの!」
花耶は座ると、きゅっと優子の手を握った。
トイレで何を考えてたんだ?それにお前、ちゃんと手は洗ったのか?
「優子さん、私たち、今日から友達になろう!」
「……え」
「こんな性欲の塊みたいな男と話すくらいなら、私と話そう!毎日遊びに来るから!」
あのな…そろそろ俺も我慢の限界なんだぞ…
お前のせいで俺は毎晩…
「いいでしょ?」
キラキラした目で言う花耶。
「……う、うん」
それに押し切られ、優子は首を縦に振った。
「じゃあ決定!公也はもう用済みね」
「……」
「お前なあ…」
とは言いながらも、俺は内心ほくそ笑んでいた。