それからのお話。-2
して、数日後。
『かなこ!明日ね!ばいばーい』
「んじゃなかなこ。明日!」
初めて2人が手をつないで帰るトコを見た。
よしよし、ウマくいってるみたいじゃん。
雫なんて満面の笑み。20cm以上は高いみっくんの目を見ながら笑って教室をあとにした。
『あ、かなこ!』
教室を出た雫がもう一度、ひょこっと覗くように顔だけ出した。
『明日って用事あるんだっけ?』
「うん、明日は久々デェト〜」
『そか、わかった!じゃね〜』
そして、もう一度あたしの視界から消えた。
-翌日-
「....で、雫ちゃんとみっくん?だっけ?はウマくいってんの?」
「うん!今日はみっくん部活あるらしいけど、雫は体育館のギャラリーで部活終わるの待ってるみたいだよ」
「そか。よかったしょ。かなも頑張ったな。」
頭を軽くなでてもらう。
あたしはこの手が大好きだ。
手の相手はあたしの彼氏・健吾。
いま19歳の大学生で、歯科医師を目指している。
あたしが甘えられる唯一の存在。
まぁ、健吾との話はおいおい。
あたしは相談してくれた雫とみっくんにそれぞれ、こんな話をしてみた。
「話すコトなんてなんでもイィんだよ、雫。この授業ネムかった〜とか、ホントなんでもイィの。
雫だって好きなヒトの話なら、どんなコトでも聞きたいし知りたいって思うでしょ?
あと、キンチョーしてたんだってコトもみっくんにゆってみなよ。みっくんならわかってくれるから。」
「あー、確かに雫とは下ネタ話さないかも。みっくんの気もち、わからんくもないかな。
でも雫だってうちらとおんなし高1だよ。ピュアばっかな訳ないじゃん。
みっくんは会話のない間がツラいんかもしれないけど、ちゃんと雫の話聞いてあげて。
なんにも言えない子じゃないから。」
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「何それ。俺らがつき合いたての時、俺がかなに言ったコトばっかじゃん」
「脚色はしてるよ〜?
それにうちらの体験談と似てるからきっとウマくいくと思って!」
雫とみっくんがあれからどんな話をしたのかは、2人はさすがに教えてくれない。
でも、きっと甘くてとろけそ〜なかんじだったんだろな。
それだけは誰も知らない、あの2人だけのヒミツ。