放課後のMくんとSさん。-3
『わ....みっくん!!』
高遠が目を丸くしてこっちに駆けよってきた。
え、何?
『そのカッコ!!ユニフォームのままじゃん!!風邪ひいちゃうよ〜!!
ごめんね、あたしがジャージ借りちゃったからだね。ホントにごめん!!』
目まぐるしいって、こーゆう時に使う言葉なんかな?
や、ちがうかな?
とにかく慌てた高遠がやたらと早口で、俺の貸したジャージを脱ごうとしてる。
そういや俺、肩とか丸出しで来ちまった。そういや俺、寒いかも。
――――って!!
「待って高遠!!ヤじゃなかったらそのジャージ着てて!!」
『え、でも....』
「イィから!!」
俺の身長は176cm。高遠は....150くらいか?細いから余計小っこく見えんのかもだけど。
俺の、高遠からしたらかなりぶかぶかなジャージを着てて、手なんてジャージが長いから隠れちゃってて....
高遠!!めっちゃイィ!!ナイス!!笑
できるコトなら後ろ向いてガッツポーズしたい!!涙とか出ちゃいそな代物いただきましたー!!
こんな時にこんなコト考えちゃってすんません。
でも、だってオトコノコだから?笑
『あ、あの....?』
高遠の声でハッとする。
やべ、自分の世界トリップしてた。
『あの〜....ね?』
言いたいコトはわかってる。
でもモジモジしてる仕草があんまりにもかわいすぎて、ついいじめたくなった。
「ん?何?」
『あの〜....さ。えっと....なんてゆったらイィのかな』
「何?言ってくんなきゃわかんねー」
『....ズルい』
俺の言動の意図が読めたらしく、顔を真っ赤にしながら高遠はそう言った。