投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

これって恋?
【学園物 恋愛小説】

これって恋?の最初へ これって恋? 11 これって恋? 13 これって恋?の最後へ

放課後のMくんとSさん。-2

「あっ待って高遠!!」

俺の声に、少しビクッとして振り返る。

少し内股になっている細っこい足が、俺に寒さを伝える。


「コレ。使って。いままで着てたから汗くさいかもだけど」


そう言ってジャージを渡した。


『....ありがとう』

少し俯き気味に、高遠はそう答えた。


『あの、ホントありがとね。あと部活おつかれ様』

今度は俺の顔をちゃんと見て、笑ってそう言ってくれた。


おいおい。かわいすぎだって。
はー....なんなんだお前。


高遠はもう一度階段の方へ向き直り、俺は階段へ向かう高遠を見送った。



やべ....かわいすぎる。

高遠の気もちには気づいていた。
たまに高遠の視線を感じていた。
高遠の方を見たら、高遠はさっと目を背ける。
そんな仕草ですらかわいくて仕方なかった。
俺が今まで好きになった子に、そんな子はいなかったから。

“今どきこんな純粋っぽい子がいるんだ”
“そんな子が俺のコトを”

そう思うと、なんか女の子っぽい表情になるけど胸がぎゅーっとなって、いつも抱きしめたくて仕方なかった。
あの小っこいからだ全部、俺で覆いつくしたかった。

“アイツ、今まで誰かとつき合ったコトあんのかな....
最近の反応をみてるとなさそうだけど”

折れちゃうくらいに抱きしめたらどんな態度をとるのか。
キスした時はどんな表情をするのか。

そんなんばっか、頭ん中はいつも高遠で占領されていた。



俺はいつもの雑談をせずにタオルだけ肩にかけ、着替えもせずに教室に向かった。
先輩達はなしたんだ、みたいな目で見てたけど。
高遠とのやりとりを見ていたヤツらがニヤニヤしてたけど。

そんなん関係ねー。





教室のドアまであと3歩。

....はー。
一息つく。

高遠が待ってくれてんだ。早く行かなきゃ。
でも、俺いまガラにもなくキンチョーしてる。

落ち着け....
落ち着け自分。

もう一度一息つき、教室のドアを開けた。

外を眺めていた高遠がこちらを向く。


これって恋?の最初へ これって恋? 11 これって恋? 13 これって恋?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前