Lesson xxxU F-3
「…さぁ、話してもらいましょうか?」
必要以上に身構える私に先生は苦笑した。
「結論から言うと彩とはヤってない」
肩の力が抜けた。
よかったぁ…。
結論っていうのには引っかかりを覚えるけどあまり追及しない方がよさそうだ。
「ホントに?」
ジーっと見つめる私から先生は目を逸らさなかった。
「ホント」
「……信じてあげる」
「そりゃどーも」
「私って出来たカノジョよね」
チロッと横目で見ると先生はハイハイと頷いて私の手を握った。
「ホント…不安にさせて…悪かった…」
絡めた指に力が入って引き寄せられ、先生の腕の中にスッポリと包まれる。
「ん…。も、いい。先生が南方先生にハッキリ言ってくれたの…嬉しかったよ」
南方先生より私が大事だって…そう言ってくれた。
南方先生と自分を比較するってヘンっていうか失礼かもしれないけど。
南方先生が榊先生を想ってるように、私だってそれ以上に先生を想ってる。
先生が大好き。
嬉しい事や不安な気持ち、抱き合う喜びも、こうした穏やかな時間も全部先生が教えてくれる。
「先生…。夕方の続き…する?」
私を抱いていた腕に力が入る。
「そりゃ、ありがたいお誘いだな」
髪をかき上げ耳に唇を寄せる。
かかる吐息がくすぐったくて首を竦める私の耳朶を優しく食む。
思わず身体がビクつくのが恥ずかしい。
だってすごく先生を求めてるようで、先生に溺れてく自分がはしたないようで。
先生の肩に手を置くと唇が首筋を伝い小さな吐息が漏れる。
やっぱり私ってはしたない。
「どうかしたのか?」
意識して声を抑える私に先生が尋ねた。