Lesson xxxU F-2
「先生…。話してもいい?」
ソファーの上で先生に凭れていた私は思い切って訊ねた。
「…彩の事か?」
「うん」
遠慮がちに頷く私に先生も頷いた。
「南方先生は…、先生の事すごく好きなんだなって。騙しても嘘ついても、それでも先生に振り向いてほしかったんだね」
「私、前に南方先生に先生と別れればっぽい事言われたよ」
静かに聞いていた先生は私の言葉に眉をひそめた。
「どうして俺に言わなかったんだ?」
思わず笑い声が漏れて先生の顔が険しくなる。
「そんな顔しないの。だってあれは私への挑発だもん。受けて立たないと私のプライドが許さない」
イタズラっぽく笑う私に先生は大きくため息をついた。
「だって南方先生ったら先生と…その…ヤったって言うんだよ!?」
ソファーに凭れていた先生がガバッっと起き上がった。
ん?
いつも冷静な先生ぽくない…?
私はあの時先生を信じて南方先生に対峙したけど、もしかしてそれは甘かった…?
私は先生の胸ぐらをグッと掴んだ。
「か、神崎!?」
「先生…?南方先生と…したの…?」
目が泳ぐ先生は限りなく怪しい。
「せ・ん・せ・い!こっち見て!」
「神崎。妙な迫力あるぞ…」
「ごまかさないの!」
先生を押し倒し馬乗りになって上から睨む。
「…あの時と同じだな…」
小さく呟いた先生の言葉を聞き逃さなかった。
「私は今までこんな事した事ないけど?あの時って何!」
ギュウギュウと先生のワイシャツを握る私に先生がとうとう両手を上げた。
「落ち着けって!これじゃ話せるもんも話せねーって!」
………確かに。
私は上から降り、先生は起き上がった。