侍BOYS!!〜一番ヶ瀬高校剣道部〜No.1-1
剣道。
日本古来の武術である剣術の竹刀稽古である撃剣を競技化した武道で、剣の理法の修練による人間形成を目的とする道、または修行である。(Wikipedia出典)
スポーツというものは、強くなる為に努力し他人と競い合い、己の力量を試す為、そしてより高みを目指す為にあると言っても過言ではない。
剣道もまた然り。
今は昔、ちょんまげを結わえた侍達が生きる為に奮っていた剣術を、現代では競う為に奮っている。
剣道は武道であり、武道とスポーツは違うと言われてはいるが、誰よりも強くなりたいという志しは武道もスポーツも、今も昔も同じ。
そう、高みを目指す者達は皆『侍』なのである。
***
一番ヶ瀬高校一階最奥、トイレ前廊下。
高校生活1日目を終えた宮川柊、藤野虎太郎、瀬田春海の3人は、トイレ前の廊下の壁を背にして会話に花を咲かせていた。
「あーぁ。なんで俺だけ1組なんだよ…」
「組なんてどうでもいいだろ。女子か」
「あぁそうだ!俺は女子のように女々しいと評判だ!!」
「開き直ってんなよ」
「でも1組かわいい子多かったよー」
「マジで!?ハル、お前よく見てんな!」
「3組はあんまいなかったからねー」
「…ハル、お前、どんだけだよ」
「あ、でも3組あの子いたよ!ホラ、シュウの幼なじみの…」
「はぁ?俺の幼なじみ?…もしかして、美和?」
「そーそー、柳田美和ちゃん!」
「マジかよあいつ、ここまで来たんかよー」
「柳田美和って、あのシュウを追っかけ回してたお前の事大好きなあの柳田美和か?」
「…そう、その柳田美和」
「中学で離れたと思いきや、高校でまた一緒になるなんて、すげぇ執念だな」
「良かったじゃんシュウ。彼女出来るなー」
「なんでくっつく事前提なんだよ!いっやだよあんな女!!小学ん時から言ってんだろ!!願い下げだ!!」
「えー?もったいないなー」
「つぅかハル、僕ら喋ってる暇ねぇんじゃねぇの?」
「あ」