侍BOYS!!〜一番ヶ瀬高校剣道部〜No.1-8
「あー…笑った笑った。じゃあ、3人とも入部って事でいいのかな?他の部は見なくていいの?」
「「「はい!」」」
「よし。では改めて、ようこそ一番ヶ瀬剣道部へ!自分が部長の森本慎。よろしく。で、こっちのオカ」
「オカマじゃないわよ」
「…おネェ言葉のが大沢樹。一応副部長って肩書きだ」
「一応って何よ、一応って」
「それでこっちが長谷川良平。唯一の2年生だ。見た目はあれだけど、れっきとした剣道部だから」
「見た目はあれだけどって傷付くっすよキャプテーン」
現剣道部の紹介が済み、新加入の3人もそれぞれ簡単に自己紹介を済ませた。
「…ところで、3人は経験者…だよな?」
自己紹介後、道場内へと場所を移して、部長が思い出したように呟いた。
「はぁ…一応」
「一応?」
「小学の6年間剣道をしていたんですが、中学の3年間はやっていません」
「…何でよ?」
「…」
そこを聞かれると痛い。
「まぁ、ブランクがあったって頑張れば取り戻せるさ。基礎は出来てると思うしな」
にこりと笑い、部長は道場内にある扉を開けた。
「ここが部室って事になってるから、防具とか道着とか、その他諸々ここに置いといてOKだから」
柊が先程見渡した時には気が付かなかったが、神棚の下辺りにひっそりと扉があった。壁と同系色で、パッと見では扉だとは気付きにくい。
「さて、今日はどうするかな…。たぶんもう少しで顧問かコーチが来ると思うんだけど…」
樹と良平は部室内に入って着替えを始め、部長が部室前で新入生3人をどうしようかと思案し始めた時、
「森本!!いるかぁ!?」
とても良いタイミングで、ワイシャツネクタイの男が入ってきた。
「ゲ」
そう言ったのは虎太郎。