君と繋がるもの〜Side:美奈〜-1
好きだよ。
でも、ずっと一緒にいたから
言えなかった思い……
あたしがもっと素直なかわいい女の子だったらと何回も思った。
この恋は…………切なく苦しい、それだけだと思ってた――――
【番外編 美奈の物語】
今日は遠足♪♪
待ちに待ったイベントで、あたしは昨日も眠れないほど興奮してたっけ……
でも、その遠足で1人もじもじ恥ずかしそうにしている男の子がいたんだ………
それが、けん坊だった。
恥ずかしそうにしている姿が可愛くて、女の子かと思ったあたしは、仲良くなりたくて声をかけたんだ。
「あんた………おとこの子?おんなの子?」
失敗した――――――
幼いながらやっちゃったと思った。
けん坊は半泣きになりながら
「おとこ………の子だよ。」
その顔がおもしろくて、あたしは笑ながら、君の手を掴んだんだよ??
たぶんその頃からかな……
君はあたしの中で特別な存在になっていった……
君とあたしはいつも一緒にいた。
あたしの後をついて回って、周りからは
「美奈のふん」
なんてあだ名まで付けられて…
中学に入ってからも、それが続き、あたしが生徒会に入った時も一緒に入ってきた。
クラスでも一緒で、女子の輪に入っていた。
女子達からはかわいいとか言われて、あたしとけん坊はまるで性別が逆だなんてからかわれもした。
だからかな……
好きでも、君には伝えられなかった。
だから、どうしても伝えたくて、でも伝え方も分からなかったから、かまかけるような事しちゃったんだ。
湊の事を話すとき、君はすごく機嫌が悪くなるの知ってた??
それがすごく嬉しくて、私は、湊の話をたくさんしたんだよ??
でも、それが裏目に出た………
学祭までの準備期間、けん坊は冷たくなった………
もうダメだと思った。