君と繋がるもの〜Side:美奈〜-4
気付かなかった気持ちって……
もしかしたら、けん坊には……
「僕……きっと…美奈が好きなんだと思うんだ。」
頭が真っ白になった。
信じられなかった。
けん坊があたしを好き………
じゃあなんで今まで無視されてたんだろう……
いろんな思いが溢れてきて、
「………ごめん」
と言葉が出てしまった。
ただ謝りたかっただけ……
ただ自分の気持ちを伝えたかっただけ………
でも、あたしの言葉が悪かった。
けん坊は立ち上がり、ここから離れて行ってしまう。
私は、けん坊を呼び止めた。
出ない声を振り絞って……
その後は混乱して
何を話したのかは覚えていない。
でも、確かなことは
「好き」
を伝えられた事。
気付いたときは、けん坊の腕のなかだった。
あたしは嬉しくて、けん坊の暖かさを感じて――――泣いた。
その後、けん坊はあたしの手をとって歩きだした。
初めて会ったときのように
とびきりの笑顔で。
少し大人になって感じた手は、大きくて、暖かくて、愛しさで溢れていた。
きっとあの時から、あたしは君の手を掴んで、君との繋がりを感じていたんだよ。
〜Fin〜