君と繋がるもの〜Side:美奈〜-3
「………え……」
「…あいつの事で泣くなよ……。俺を見てくれよ………」
意味が分からない。
湊は何を言ってるの………?
「俺はいつもお前を見てきた。だから分かる……お前は拳哉が好きなんだろ………??」
(…………………)
「俺じゃ…ダメなのか?……俺はお前を泣かせるような事はしない。………守るから」
「……冗談…だよね?」
「嘘じゃない。真剣だよ……なぁ俺じゃダメか…?」
「…止めてよ…離して……」
「なんでだよ!!泣かされてもそれでも―――」
湊はびっくりして話すのを止めた。
あたしは泣いていた。
勝手に涙が流れてくる。
どうしてこんなに涙が出てくるんだろう……
湊の気持ちは嬉しかった。
でも………
「あたしは……けん坊が好きなんだ。」
「…………なんでだよ……」
湊のか細い声が聞こえた。
肩が震えてるのが分かった。
「…ありがとう。でもゴメンね…」
そういうのが精一杯だった。
あたしはいたたまれなくなって外に出た。
外ではキャンプファイヤーが始まっていた。
生徒の輪から外れ、1人座っているけん坊を見つけた。
もう自分の気持ちを隠しておくのは辛い…………
嫌われててもいい。
気持ちだけでも伝えたい。
あたしは迷わず歩きだした―
「いやぁ盛り上がってるね♪」
声は震えてない…??
普通に話せてる……??
「こんな離れたところで何してんの〜??」
わざと明るく振る舞った。
「ちょっと……考えてたんだ。」
話してくれた………
久しぶりのけん坊の声は、すぐにあたしの耳に入って体中に響いた。
手が震える。肩が震える。
必死に泣き出しそうになるのを我慢した。
気持ちを伝えるまでは絶対になかない………
「僕さ……湊と賭けをしてたんだ。そこで、それまで気付かなかった気持ちに気付いて………」
ビックリした。
けん坊が話しだしたのと、
気付かなかった気持ちに気付いたって事に。