DMAI1-1
『シュンッ』
「………」
光に包まれていた7人は大きな宮殿の前にいた。
壁全体はクリーム色で、9階建てだった。窓を見るかぎりたくさんの部屋があるみたいだ。
「………恵美の家かい?」
「違うよー。自分の家くらいわかるもーん」
「入る………か?」
「それしかなさそうだな」
そう言った大輔は一点を見つめていた。
「あ」
紙は宮殿の方へ飛んでいた。
7人は再び紙を追い掛けた。
『ウィン』
紙が扉の前まで来ると、扉は自動で開いた。
『ウィン』
一たちもそれに続く。
入ってすぐ正面にどーんと階段があった。
紙は浮きながら上へ行く。
一たちは辺りを眺めながら階段を登った。
天井から大きなシャンデリアが2つ下げられていて、宮殿内を明るく照らしていた。
内装も外装と同じで金一色だった。
階段を登りきった。そこは吹き抜けになっていて、外から見た通りたくさんの部屋があった。
突き当たりに受付のようなものがあり、そこで紙は浮遊していた。
7人が受付の前に立つと、天井の方から声がした。
『初めまして』
「!!??」
『私はDMAIと申します。皆さんの協力が必要なのです』
「また、理事長ですか?」
『違いますよ、純粋に皆さんに助けてほしいのです。今は姿を見せられませんが』
「わたくしたちは何をすればいいんですの?」
『私の言うことをしてほしいのです』
「だから、それがなんなのよ!」
『ゲーム………と言えば一番わかりやすいでしょうか。ですが、いいですか、私は本気でお願いしているのです。』
「身勝手だな」
「やらないって言ったら?」
『すぐに元の世界をお戻しいたします。』
「なんだよ。じゃ、帰ろうぜい!」
「そーだねー。なんか、不気味ー」
「待って」
「?」
アムネシアが言ったので、皆注目した。
「やってみないか?」
皆沈黙。
「………命の危険は?」
一が沈黙を破った。
『あります。しかし、いや、だからあなたたちにしか頼めないのです。あなたたちなら超えられる』
「………だそうだ」
「………おれは暇だぞ」
大輔がのる。
「私も!」
陽子が続く。
「じゃ、あたしも、行くー」
「………僕も行こうかい」
「皆が行くならわたくしも行きますわ」
結局7人全員参加だ。