DMAI1-2
『では、先程入って来ていただいた扉より外へ出て下さい』
7人は回れ右をしてぞろぞろと階段を降りた。
「あ、紙」
さっきの紙が扉の前で浮遊していた。
7人はまた紙に着いて行く。
「これを開けるのか?」
少し歩くと門に突き当たった。
見た感じ金属製だが、重そうな感じはしない。
「私開けるね!」
陽子が門を両手で押す。
『ギーッ』
「あ、これ」
門の向こうに広がっていたのは大きな商店街。
「皆さん、これは」
「あぁ」
その商店街はさっきまで一たちがいた商店街にそっくりだった。
「この商店街はこの街の玄関………」
「なるほど。じゃ、進むしかなさそうだな」
7人は商店街を覗いて進む。人は7人以外誰もいないが、雰囲気や外観は同じだった。
「人がいないと、こんな風なんだな」
「そうね。でもそういえば目的地はどこなの?」
「真っ直ぐは高校で右手は住宅街、左手は娯楽街だよね、僕らの街なら」
「おっ」
7人は立ち止まった。目の前に交差点があったからだ。
「………どうする?」
「どれか2つは………ハズレとかね!」
「おい翔太、縁起でもないこと言うなよ」
「でもー、どっち行きましょーかー?」
「面倒くさいわね、もうこんなんは………」
と言うと、陽子は着ていたブレザーを脱いで空高く投げた。
『ファサ』
「こっちよ!」
パーカーは左側に落ちた。
「んな適当な………」
「ま、いいかもね!埒あかないしさ」
「よし、じゃ行くわよ!」
なかば強制的に決められたが、6人は陽子に着いて行った。
「だが、ゲームっつっても何やるんかな?」
「誰かを倒すとかじゃないのか?」
「あら、物騒ですわね」
「なんでおまえらはそういう発想にしか至らないんだよ!」
「ちょっと待って!」
陽子が突然大きな声を出した。
「なんだよ?」
「そっから先、なんか変よ」
「は?」
「何ていうか………変なの!私が言ってるんだから信じるでしょ!?」
「まぁな………」
「あ、あのね、陽子は五感がすっごいんだ。僕らには普通に見えるけど、信じた方がいいよ。何かあるかも」
「そうなんですか」
「………!?あれ、ちょっと!」
翔太の忠告を聞かずにアムネシアは歩きだした。
「おい!待てって!危ないかもし………」
6人は目を見開いた。
「いや………今までの状況から、そんなに驚かないけどさ………」
「消えたな」
アムネシアは6人の目の前から消えた。
「………どうする?」
「………進む?」
「アムネシア1人犠牲ってのもすっきりしないしな、行ってみるか」
「じゃ、行こう!」
6人はゆっくりと歩きだした。
「ここからよ」
皆目をつぶって1歩踏み出した。