DMAI1-10
「あとはあいつらを犯人にすれば………フフフッ」
「………?」
翔太はアップたちが話している意味がいまいちわからなかったので、戦いに戻った。
「きっとあと少しですわ!踏ん張りましょう!」
ラストスパートといわんばかりに、3人の攻撃の威力が増した。
「ウガガガガガッ!!!」
翔太は目に見えぬ速さで地面を蹴り移動し、相手を薙ぎ倒していった。
『ガガガガガガガガッ!』
のりは突進してくる相手を華麗に交わし、同時に蹴りを入れていった。
『ドドドドドドドッ!』
アムネシアは剣を持った相手の相手をし、峰打ちで次々と倒していった。
「はぁ、はぁ………」
翔太は船の壁に寄りかかり肩で息をしていた。
「終わった………」
しばらくし、チェック軍は海賊全員を倒した。
終わってみると、立っているのはチェック軍の1番隊船の乗船員だけだった。
「いやいや、お疲れ様でした。計画はほぼ完璧です」
「ほぼ………?」
「えぇ、あなたたちにもやられてもらわなくてはなりませんから」
「………は?」
「ですから………」
アップが微笑みながら言うと、アップの横を一瞬風が走った。
「!!!???」
「こういうことです」
「カッ………!」
『バタン………』
翔太、のり、アムネシアは倒れた。その向こう側にはマンダン、エキマン、クロス、イリーガーが立っていた。
「なーんにもわかんないねー」
「ただ歩いてるだけだしな」
キューの家を出てから、一と恵美は何をすればいいのかわからずに、街を歩いていた。
「護るってのが案外むずいんだよな………」
「あー!」
「ん?」
恵美が指差すところにはキューがいた。
「あ、おまえら………」
「おまえらじゃねぇ、一だ」
「恵美だよー」
「そんなことより、おまえらこんなところで何やってんだよ!」
「そりゃおめぇもだ。お母さんに怒られるぞ」
「うるせぇ!ガキ扱いするな!」
「おい!おまえヘッド族だろ!何をやってるんだ、こんなところで!逃亡か!?」
「やべっ!見つかった!」
いきなり男が大声を上げ、キューが走り出した。
「待て!」
「ねー一、あれなーに?」
「知るか!まぁ、逃げた方がいいんじゃねぇか?」
キューに続き、一と恵美も走り始めた。
「おいキュー!あれ何だ!?」
「おれの敵だ!」
「敵………?あれ、戦うんじゃなかったのか?」
「うるせぇ!」
しばらく逃げ回っていたが、なかなか振り切れなかった。それどころか追っ手の人数は増えていた。