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ハニードリッパー
【OL/お姉さん 官能小説】

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ハニードリッパー9-1

ずいぶんと早い出発だった。


やっと明るくなったぐらいには楽器や機材をトラックに積み込んで…

バタバタと宿舎をカラにしてしまう。


後に残ってるのは革張りのソファセットと…
リタと二人で買い出しに行った大きなお鍋だけだった。



紫色の雲を従えて陽が登って行く。

それがなんだか寂しくて…
私はモンゴルの草原をさすらう遊牧民を思っていた。


そして私は衝撃の事実を知る。

私たちが寝具にしていた毛布は機材を保護するためのものだったのだ。


どうりでホコリっぽいはずだ。

それと同時にへんな汁つけないで本当に良かったと…

私はつくづく思う。



トラックはひどく揺れた。

後部座席は私を挟んでハイテンションなケンちゃんと。

隣はリタ…
発進するなり眠っている。

私も少しはこの女に悪い事したと思っているので狭い座席でお尻とお尻がピッタリくっつき合ってもさほど不快に感じない。


私はケイジの隣に行きたかったが、前の席では今日のステージについて真剣に詰めていた。

ギタリストのムトウ君は真ん中で相変わらず存在感が薄い。


それでも彼は私が初めて見たステージでとっても印象に残っていた。

演奏も上手だし、動きに躍動感もあった。

ルックスは普通の人だった。
どこにでもいる大学生って感じだけど、年もたぶんそのくらいだろう。

彼はステージの一回一回を終えると次のステージまで休火山のように充電しているに違いない…


トラックはゴトゴト揺れながら砂埃をあげて遊園地みたいな所に入って行った。

胸がワクワクする。


サーカスみたいな天井がトンガったテントが張られていてフリーマーケットが見えた。

何かを売ってる露店も出ていて、若い人がたくさん集まってた。


遊園地のアトラクションに見えたのは巨大な野外ステージの骨組だったのだ。

テレビに出てるあのバンドや有名なロックミュージシャンも出演するそうだ。


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