巻き戻し-第二話-1
だいたい、合コンとかそういうのって嫌いなんだよ。
なんでわざわざ知りもしない子達と無理矢理テンション上げて呑んで騒いでしないといけねーの。
単純に、だりぃ。
んなことに時間費やす位なら、さっさと課題やら制作やら進めて後は連れとだけ呑む方が良い。
しかも、大学生と合コン?
勉強は出来ても頭の使い方が悪いだけのやつら。
何となくで進学してった人間の集まり。
脳みそ搾って大学行けばそれだけで偉いんすか?
なめんな。
こちとら高校以前から自分の夢見付けて歩いてんだ。
何となくな人間とは先に向かう気合いが違う。
確かに俺も、俺の周りも、勉強は苦手。
お洒落にばっかり気を使いやがって、って見られてもしゃーない。
だけど、その“お洒落”ってやつを生み出す世界で生きて行こうとしてんだ。
“お洒落”だって、俺らにとっちゃ大切な仕事。
逆にこっち側から言わせてもらえば、大学生なんて半端に流行りをかじって雑誌とかに流されて、“自分”が無い。
まぁ、あいつらは“脳みそ”が武器なのかもしれねーけど。
俺の考えが偏ってんのは重々承知。
だけど“その手の友達”が全くいねーんだから、偏るわな。
で、そんな彼らと河原でバーベキュー合コンすか。
襷(たすき)とか翔(かける)の頼みだから来たけど…マジ勘弁。
だいたい何の話すりゃいいんだよ。
パリ、ミラノ、ニューョーク、ロンドンコレクションの話?
…通じないわな。
物理、経済、政治、数学の話?
…逆に俺らがついていけないわ。
連れられた駅で彼らと合流したけど、まぁ案の定っていうか、予想通り。
合コンに気張って服装に気合い入れて来てんだろうけど、なんつーか…切ない。
しかもノリが…悪いのか中途半端に軽いのかよくわかんねー…。
良くも悪くもすげー普通じゃん。
なんかもっとこう…服でも中身でも極端に飛んでるやついねーの?
まぁいいや。
どうせ襷とかもやる気無いだろうし、適当に乗り切ればいいだろ。