巻き戻し-第二話-3
「すんません。あの…なゆ、だよね?」
ビンゴ!
まさかこんなとこで再会するとは…。
なゆは俺の初恋の人だった。
まぁ当時はガキだったわけだけど、でも子供なりに本気で好きだった。
周りよりも落ち着きがあって、凜としてて、少しツンとしてる。
子供ながら、惹かれていた。
だけど。
その気持ちを伝える事なく卒業し、俺らは別々の中学へ。
俺は近所の中学校、なゆは私立のお嬢様学校。
もともとなゆの家は金持ちだし親も厳しい人だったらしいから、納得はしてたけど。
でも、寂しかった。
中学に入って彼女も出来たし色んな遊びも覚えた。
調度その頃に先輩の影響でファッションってのに目覚め、漠然とだけどアパレルを意識し始めた。
一方のなゆと言えば。
親伝いの話では、ますます綺麗になったとか、成績優秀だとか、そんな程度しか知らなかった。
ただ俺の知らないところで勉強頑張ってるなゆの存在は、目には見えなくとも不思議と励みになっていた。
きっと、小学生の頃の気持ちを引きずったままだったからなんだろうな。
それがまさかこんな所でこんな形で再会して、あんなこと言われるとはなー…。