投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

なにげない一日
【その他 その他小説】

なにげない一日の最初へ なにげない一日 8 なにげない一日 10 なにげない一日の最後へ

なにげない一日-9

 朝、トーストとサラダと牛乳で朝食をすませる。
 時刻は8時。映画は10時半からなので、風呂に湯をはることにした。
 お湯を貯めている間に、パソコンで投稿小説サイトを観る。待ち望んでいる連載作品の続きはまだ投稿されていない。
 湯船が溜まったので風呂に入る。いつもはシャワーですませるが、やはり朝風呂は気持ちいい。
 9時半に家を出て、駅前の映画館に向かう。
 正午には映画は終わり、昼飯がてらファーストフード店でハンバーガーを食べた。もうすぐ昔なくなったチキンのハンバーガーが復活するのが楽しみだ。
 映画はなかなか楽しめた。
 2時に真也と待ち合わせて、ビリヤードをしにいく。最近のマイブームだ。
 しかしそのとき。いきなり空が真っ黒に染まり、そこから巨大な光の塊が降りてきた。
 「な、なんだ、あれ」
 真也が言った。俺も唖然としてそれを見上げる。
 それは、SF映画に登場するような、UFOによく似ていた。
 「なにあれ、なにかの冗談?」
 「そうだろ。映画かなんかだろ」
 俺たちは当初、のんきにもそんなことを考えていた。だが、それが甘い考えであることを、すぐに思い知る。
 UFOが、いきなり掃除機のノズルのようなものを下から出した。そして呆気にとられている俺たちを無視して、それはまるで人をゴミのように吸い上げ始めたのだ。
 「な!」
 驚いている暇はなかった。続いて友人の声が聞こえて、俺はそちらを見た。
 「助けてくれー!」
 「真也!」
 真也は、瞬く間にUFOに拐われてしまった。
 助けなければ。そうは思うが足が震えてなにもできない。ただUFOを見送るしかできないのか。
 ……逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。
 気がつくと、俺はUFOに向かって叫んでいた。
 「待て! 俺も連れていけ!」


なにげない一日の最初へ なにげない一日 8 なにげない一日 10 なにげない一日の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前