なにげない一日-3
朝、トーストとサラダと牛乳で朝食をすませる。
時刻は8時。映画は10時半からなので、風呂に湯をはることにした。今日はなるべく綺麗な身体でいたい。
お湯を貯めている間に、パソコンで投稿小説サイトを観る。待ち望んでいる連載作品の続きはまだ投稿されていない。
湯船が溜まったので風呂に入る。いつもはシャワーですませるが、やはり朝風呂は気持ちいい。
いつか、あの人とこの湯船に……。
9時半に家を出て、駅前の映画館に向かう。
正午には映画は終わり、昼飯がてらファーストフード店でハンバーガーを食べた。もうすぐ昔なくなったチキンのハンバーガーが復活するのが楽しみだ。
映画はなかなか楽しめた。でも、隣にあの人がいないことが寂しくて、あまり集中できなかったけど。
2時に真也と待ち合わせて、ビリヤードをしにいく。最近のマイブームだ。
もちろん本当に好きなのはビリヤードじゃない。
胸を高鳴らせ、彼を待つ。真也は二分前に現れた。彼を見ただけで、心臓がはねあがる。
9ボールを7回やって、勝率0割。まだまだ初心者の域をでない。
「下手くそだな」と彼は笑った。その笑顔が、俺の心をそのたび揺さぶる。
6時に真也とファミリーレストランで夕飯を食う。ミラノ風グラタンにした。卵はいれないほうが好きだ。
彼はシシリー風明太子パスタを食べていた。本当はお揃いにしたかったけど、変なやつと思われるのが恐くてできなかった。残念。
今日見た映画の話をした。真也はまだ見てないらしい。だからあまり盛り上がらなかった。
つまらない話しかできなかった。つまらないやつと思われてたらどうしよう。
家に帰ったのは8時ごろだった。疲れたのですぐにパジャマに着替えて寝た。
ああ、今日も彼に会えた。明日も学校で会える。それだけで自分が世界一の幸せに思えた。
ああ、とても愛おしい。彼もいま、こうしてベッドで眠りについているんだろうか。