侍BOYS!!〜一番ヶ瀬高校剣道部〜プロローグ-1
「俺らが小学を卒業して早幾年…」
「まだ2年ちょっとぐらいじゃん」
「あの頃は俺達も輝いていた…」
「今はくすんでるみたいに言うなよー」
「剣道…、それが俺らを輝かせていたんだ」
「ハル、携帯鳴ってる」
「え?あー、メルマガだ。ウゼー」
「しかし俺らは中学に入って挫折…」
「厳密に言うとシュウがな」
「オレとコタは巻き添いをくらっただけ」
「あの日、コーチに言われた心ない言葉を俺は忘れない!」
「何?何言われたんだっけ?」
「ホラ、6年の時に皆の前で『シュウ、鼻糞出てるぞ(※1)』って言われてただろ」
「俺の心は深く傷付いた!」
「鼻糞で?浅ぇ心だな」
「挫折するにゃ充分な理由だった…」
「大いに不充分だろ」
「あんなきっつい練習やってられっか!!」
「本音出たよー」
「中学ではイケてる部活に入って女子にモテモテになろうと軽音部に入ったが…」
「軽音?帰宅部だろ?」
「軽音部って名のな」
「どんどん出世していくライバル(自称)神山…」
「2年にして全国中学剣道大会個人優勝だったなー、神山」
「名門校から既にスカウトされてるらしいしな」
「そして俺は決めた!」
「「何を?」」
「目指せ剣道の湘北(※2)!!続け2代目長門烈(※3)!!」
「湘北はわかるとして、長門烈って誰よ?」
「ほら、しっぷう何たらって名前の剣道漫画の…」
「…あぁ、右手前、左足前の諸手上段て奴?」
「バカヤロー!!いふうどうどうだろボケー!!」
「全部間違ってんじゃんそれ…。勘弁しろよ」
「とにかーく!!2代目長門に、俺はなる!!」
「シュウに諸手左上段(※4)は無理」
「オレもそう思う」
「やってみなきゃわかんねーだろ!!」
「いぃやわかるね。僕の知ってるシュウでは100%無理」
「…絶対無理?」
「うん、無理」