侍BOYS!!〜一番ヶ瀬高校剣道部〜プロローグ-3
「そうだよ、知ってんぞ、毎日素振りしてんの」
「…それは、腕の筋力を落とさない為に…」
「タイヤに打ち込みもしてるよなー」
「…」
「決まりだ!皆で目指せ頂点!!打倒神山!!」
「…勝手に決めやがって…」
「まー、いいんじゃん?いっつもそんな感じだし」
「コラ!!宮川、藤野、それに瀬田!!何サボってやがる!!」
「うわやっべ!岩本に見つかった!」
「チッ。あの妖怪下っ腹親父が」
「今行きまーす、すんませーん」
「よーし、今日から俺も素振りするぞー!」
「オレは走ろーっと」
「…僕はいつも通りにする」
「ぅおっしヤル気出た!!行くぞー!!全国ぅー!!」
「気が早ぇっての」
「全国ー」
「「おー!!」」
「…うるせぇ」
***
春。
「くうぅー!来たなついに一番ヶ瀬!!」
「シュウお前…、朝からなんでそんな元気なんだよ…」
「おっ、やっぱ女子の制服可愛いなー」
一番ヶ瀬高校正門に並んで立つ3人の男子。
新入生や在校生が続々と正門を通り校舎に入って行く中、その3人はまるで通せんぼでもするかのように立ち止まって動かない。
「おい、とりあえず早く入ろうぜ。こんなトコで止まってたら迷惑だろ」
「待った!!もうちょっと!!」
「もうちょっとってなんだよ…」
「コタ、オレ達もう行ってよーか」
「…だな」
「お?おい!!待て待て、もうちょっとだっつの!!」
「うお!ひっぱんな!!ただでさえでけぇってのに、伸びたらどうすんだ!!」
「じゃあオレだけ先に行ってるねー」
「ちょっ、ハル!!僕を助けろっ!!」