青に染まる少女-6
「お友達は残念だったね」
どうして……?
違和感の先に小さな疑問を覚えたが、それよりも悲しさの方が勝って、私は再び泣き出した。
目の前の瞳を見つめたまま。
涙が止まらない。
───青い瞳。
悲しい。
───綺麗な瞳。
悔しい。
───吸い込まれそうな瞳。
莉子……。
───吸い込まれそうな……青……
「藍ちゃん」
「!!」
名前を呼ばれてハッと我に返った。
青い瞳の男は私から目を逸らして、私のすぐ後ろを見ている。
訳が分からない私の肩に、誰かの腕が巻き付いた。
「きゃっ!?えっ!!!」
「遅くなっちゃってゴメンね、藍ちゃん」
「あ、あの……」
振り向くと、見知らぬ男がニコニコと笑っていた。
前髪と襟足が長めの茶髪。
人懐っこそうな丸い瞳。
私のことを昔から知ってるみたいに馴々しい。
この人、誰?
どうして私の名前……?
疑問符を浮かべる私に、男はさらに笑みを深くした。