青に染まる少女-5
『今日、午後3時半ごろ、○○県××市の警察署に"河原で女性が倒れている"との通報がありました。
女性はすぐに病院へ運ばれましたが、救急車の中で死亡が確認されました。
警察では今月5日から行方が分からなくなっている××市の女子高校生・石田莉子さんではないかとみて身許の確認を急いで……』
目の前が真っ白になった。
莉子が、死んだ……?
「あぁ……」
吐いた息と共に声が漏れる。
莉子が……
涙が一滴頬を伝い、その後を追うように次々零れ落ちる。
嘘でしょう?
嘘だよね?莉子……
「りこぉ……」
歩道の真ん中で私は泣き崩れた。
誰にどう見られようと構わなかった。
莉子が……莉子が……
完全に気が動転していて、だから肩を叩かれるまで目の前に人がいることに気付かなかった。
「……っ?」
顔を上げると、眼鏡を掛けた男がいた。
座り込んだ私と目線を合わせるようにしゃがみ込んでいる。
歳は30そこそこで、端正な顔立ち。
眼鏡の奥の瞳は吸い込まれそうな……青。
「大丈夫?」
男が言う。
彼の青い瞳には惨めな私の姿が映っていて、私はその瞳の中の私を見つめていた。
「つらいだろう?大丈夫だよ」
優しい声音に、ふと違和感を覚える。