青に染まる少女-3
◇ ◇ ◇
莉子がいなくなって一週間が経っていた。
あの日、教室を出て行ったまま、莉子は行方不明になった。
自分を責めた昭奈は学校へ出て来なくなり、千奈美と私もめっきり口数が減っていた。
「千奈美、放課後どうする?」
昼休み、千奈美と二人でお弁当を食べながら、私は彼女に問い掛けた。
莉子がいなくなってからは毎日、私と千奈美は放課後に彼女の家に通っている。
もちろん莉子の姿はなく、彼女の母親が沈痛な面持ちで『ありがとう』と繰り返すだけだった。
私は今日は莉子の家に行った後、昭奈の家にも寄るつもりだった。
気丈な彼女がこんなに落ち込むなんて、心配だった。
千奈美は私が昭奈の家に行くつもりであることに気付いたのかもしれない。
「今日は……やめとく。真っ直ぐ帰るよ」
と、小さな声で言った。
「そ」
私は特に気にした様子は見せずに頷いたけれど、本当は分かっていた。
千奈美は昭奈を恨んでいる。
莉子がいなくなったのは昭奈のせいだと思っているのだ。
いったい、私たちの友情はどうなってしまったんだろう?
互いに無言のまま昼食を終え、私たちは次の授業の準備に取り掛かる。
今日のお弁当も、味はわからなかった。
莉子の家は留守だった。
放課後、下駄箱で千奈美と分かれた私は、いつもの道を莉子の家へ向かった。
ガレージに車がなかったためひょっとして、とは思ったのだけれど、インターホンを押すとやはり留守のようだった。
私は昭奈の家へ向かうことにした。