君と繋がるもの〜4〜-1
【最終幕】
日は沈み、学祭も終わりに近づいた。
グラウンドの中央ではキャンプファイヤーが始まっている。
僕は1人、集団から離れ遠くから眺めていた。
僕は…美奈が好き。
やっと分かった自分の気持ち…
そして、あの感覚の原因。
でも、この気持ちをどうしていいのかも分からない。
「いや〜盛り上がってるね♪」
美奈が隣に来た。
「こんな離れたとこで何してんの〜??」
「ちょっと…考えてたんだ。」
美奈は不思議そうに僕を見ている。そして思い出したかのように
「これ。」
ハイビスカスのキーホルダーを差し出した。
「何??これ…」
「みんなからのプレゼントだよ。うちらのグループのマーク♪」
「もし、けん坊が1位だったらあげようって計画したんだ〜」
そういって、嬉しそうに無邪気に笑っていた。
(…そっか……僕はあの時から…)
「僕さ…湊とかけをしてたんだ。そこで、それまで気付かなかった気持ちに気付いて………」
美奈は突然話しだした拳哉に驚いたが、一生懸命聞こうとしている。
「僕……きっと…美奈が好きなんだと思うんだ。」
言ってしまった……
頭で考えるよりも口から言葉が出てしまった。
一瞬、時が止まった気がした。
僕は頭が真っ白になって、次の言葉が見つからない。
たぶん僕は男としては見られていないだろう………
先に口を開いたのは美奈だった。
「ごめん……」
僕は凄く暗い穴に落ちた気がした……
「そ……そっか……だよな。急にこんな事言ってもな……本当にごめん。……行くわ。」
もう枯れたような笑い声しか出せない。
今にも泣き出しそうになりながら僕は立ち上がろうとした。
「けん坊………ごめん…ね……。違うんだよ。」
聞いたこともないか細い声が聞こえ、驚いて振り返った――
「美奈……?」
「違うんだよ。違う――」
「何が…」
「……ふぇっ…ぇっ…」
美奈が泣き出した。
泣き顔を見たのは初めてだった―
「お前……なんで泣いて…」
「これは…っ嬉し泣きだよ。」
(え………?)
「あたし…ずっとけん坊の事好きだったんだよ。たぶん…初めてあった時から………」
僕は美奈の言葉にびっくりした。だって………そんなん今まで気付かなかったから……