君と繋がるもの〜4〜-2
「でも…それを伝えられない…っけん坊はだんだん女子と仲良くなっていくし……それを見てる自分が嫌だった……。盗られたくなかった。だからあたし……うぅ…うぇ…」
気付くと僕は美奈を抱き締めていた。
「もう……いいから……」
美奈は大声で泣き続けた。
辺りはキャンプファイヤーで盛り上がる生徒達の声が響く。
どれくらいの時間が流れただろう……
僕は体を離し、美奈に向かって手を差し出した。
『ほら!行こっ』
あの時君が僕に手を差しのべてくれたように。
今度は僕が君を連れて行くんだ。
そして君は僕の手を掴んだんだ。
「ったく…なんで俺がこんなことしなくちゃいけないんだよ………―脇役はつれぇなぁ〜……―」
湊は軽く舌打ちをして、会議室で1人ため息をついた。
僕らが長い長い月日をかけて
やっとたどり着いたゴール。
いつも繋がっていたのに気が付かなかった……
そう、あの時から―――
『けんや君かぁ。ねぇ手つなごうよ』
〜Fin〜