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君と繋がるもの
【初恋 恋愛小説】

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君と繋がるもの〜3〜-1

【第三幕 確信】

あの感覚は何だったんだろう…
最近よく感じる感覚。

美奈が湊のことを話す度に感じる胸に刺さるような感じ……

そんな事を考えながら僕は眠りに落ちた―――




『位置に着いてよーい!!』
ぱん!!


沢山の観客、選手を応援する声が聞こえる。
学祭の体育系最大のイベント、クラス別リレーが始まった。

僕はアンカーに選ばれ再後尾で出番を待っていた。

同じアンカー組には学年でもよりすぐりの面子が揃っている。
そして僕の隣には――湊もいた。


リレーも中盤にさしかかった時

「なぁ拳哉……お前美奈の事どう思ってる?」
「は……?」

唐突な質問に僕は戸惑った。

「お前……美奈の事好きだろ。」
いつも僕の事をからかったりいじめたりしているやつが、珍しく真面目に聞いてきた。
「…っ何言ってんだよ。んなわけっ……」

実際僕は分からなかった。
美奈が…好き……?

「………俺はあいつが好きだ。」(えっ………?)
「気が付いたら目で追ってた。でも隣にはいつもお前がいるんだ。……俺は…お前が羨ましい。」

何を言ってんだよ……
湊が美奈を……好き……??

――チクッ――

またあの痛みだ……
胸を刺すような………

「僕は………」
「だから、この勝負負けたほうが……―」
僕をさえぎるように湊が何かを言おうとした時、係から指示があり僕らは位置に付いた。
前走者が来た。
バトンをもらう瞬間、湊が言った。
「この勝負負けた方は美奈から手を引く。いいな……」

僕は不覚にもその言葉に動揺してしまい、動きが止まってしまった。
湊が前を走るのが見えた。


『早く走ればかぁ!!――』

どこからか美奈の怒鳴り声が聞こえた。
「早く走ればか!!!何してんだよー!!」

僕は声を合図に駆け出した。
必死に…何かから吹っ切れたように……

その時気付いたんだ。
なんで大勢の声援の中から、あいつの声だけ聞こえたのか。
大勢の中からすぐに見つけられたのか………


僕は…………


僕は、美奈が好きだ。


僕は必死に走った。
何人か追い抜き、残るはただ一人……

足を出しているのか、地を蹴っているのかも分からなくなってきた。
ただ一つ分かるのは……

――負けちゃいけない事。


やっと湊に追い付き、肩が並んだ―――――


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