エリザベスドール・最終回-4
どうしたんだろう?
ルークは急に、頭がボーっとして来た。
全身の力が抜けて行き、何だか意識が遠退いて行く感じだろうか?
麻痺しているみたいである。
ルークの目を見つめたまま、エリザベスは冷たい笑みを見せる。
頬を撫でながら、語りかけるエリザベス。
「ルークは私のモノよ。
他の女の所なんかには絶対、行かせない。
ずっと…
私の傍にいるの。
それがルーク…
アナタの定めなの」
(勝手な女だ!)
人形に憑依してるジーナ・バーソロンの本性が分かるような気がする。
「さあルーク…
私と…
永遠の愛を…
育みましょう?」
「エリザベス…」
無意識に、エリザベスを抱き締めるルーク。
エリザベスは満足な表情でルークに抱き付いた。
ルークの耳元で声無き声が聞こえて来る。
ルーク!
しっかりするのよ!
自分を見失っちゃダメ!
しっかりして!
キャサリンの声だ。
エリザベスに誘惑されようとしているルークに注意を促しに来たのかもしれない。
だがルークの心は、エリザベスの方へ引き込まれている。