ハニードリッパー8-3
[ ケンちゃんと俺以外はわりと金持ちなんだ ]
そうなんだ…
でなければ、いつまでもブラブラとこんな事もしてられないだろうと…私は世間一般的に思った。
[ おじさんだって、ちゃんとしてるわ
何年か前に改築だってしたじゃないの ]
[ …らしいね
俺には関係ねぇ… ]
実家の話しをして不機嫌なのか、叩き起こして連れ出した事をまだ怒ってるのか…
昔のケイジはこんなじゃなかったのにね。
[ 私…いいの?
ケイジの女になっていて ]
職業柄、私は軽はずみな事を口にしない方だと思う。
何か言う時は一度考えて適切な言葉を選んで発言する癖がついている。
ここにいる私は思った事を何でも口にするバカ女になってしまった。
ケイジは何も答えてくれなかった。
我ながら、今度は馬鹿な事を言ったもんだと思った。
[ ミキだからな… ]
短くなったタバコを地面に投げ捨てながらケイジは呟く。
結局、宿舎からあまり離れないまま、暗闇に白く浮かんだトラックに戻ってきて
[ 寒いわ…抱っこしてよ ]
私はトラックの後ろのドアを開けてケイジを誘った。
東京にいる時はいつも受け身で決して自分から誘ったりしないのだ。
後から分かった事だけど、この時の私の寂しさはケイジには計り知れないものだったのだ。
ケイジたちの心理が時々…
いや、しょっちゅう私には理解不能なのと同じだったんだろう。
私はこの後もこんな寂しさをしばしば引きずる事になる。
後ろの席は三人掛けになっているけど、セックスするには少し狭い。
トイレよりはマシだけど、狭いとこでわざわざするのも時には悪くない。
肩に引っ掛けた毛布の中で私たちは遠慮なく裸になって抱き合った。
ケイジに下着を剥がされる前に私のアソコはぐしょぐしょになって悦んでいた。
ふんっ…んっ!…
あっ…
抱きかかえるようにケイジの膝の上。
指先でぐちょぐちょ触られながら額に唇に首筋に…
かわいくて仕方ないというようにキスの雨が降りそそぐ。