エリザベスドール7-6
「フレデリカお嬢様!」
「!?」
振り返ったエリザベスは、モレノと目が合う。
足を止めるモレノ。
「誰だお前は!?」
メイド嬢が悲鳴を上げる。
危険を感じたエリザベスは慌てて窓から飛び出して行った。
フレデリカは血だらけになって倒れ、ディックは悔しい表情で立っている。
夜遅く…、
ルークはモグレ警部から緊急要請でバイクで18分署を訪れた。
フレデリカが自宅で殺害されたと警部から聞かされてビックリ!
犯行時間は20時36分頃…自分が邸宅を後にした時間帯であると知ってショックを受けた。
しかも犯人は…
「君が言っていたエリザベスと言う人形だよ」と警部。
「エリザベスが…、まさか!?」
「本当だよ。君に暴力振るったディック・ブラウンと言う男も一緒に襲われているからね。
どうやら、人形の姿をした得体の知れない何かが存在しているのは…本当のようだね」
「じゃあ…、ジミーを殺し、キャサリンを殺そうとした犯人も…」
「同一犯である事は、間違いないだろう」
「僕が話した事、やっと信じてくれますか?」
「100l信じてるワケじゃないけどね」
「警部さんが自分の目で確めてみないと」
「常識では有り得ない事だからね。何とも理解し難い出来事だよ」
「でもどうして、エリザベスはフレデリカを…」
「君なら、大体の見当が付くだろう?」
警部の言う通りだ。
動機は見当が付く。
「フレデリカは僕と付き合おうとして、人形の怒りを買った」
「そうだ」
「何て事を…、殺す事はないだろう…」
エリザベスの非情な行為に、ルークは強い憤りを感じるのだった。
警部は注目する。
「君は相当…、人形に好かれているんだね。
しかも、1人占めにされようとしている」
「…」
確かに、警部の言った通りである。
ルークは複雑な気持ちになってしまう。
警部は尋ねた。