Y先生の乙女な不安-19
「ハル…早く卒業してね。」
そう言って、私はハルの胸に顔を埋めた。
ハルは優しく笑って、耳の後ろにキスをした。
「留年しないように頑張るよ。」
「もう、恐いこと言わないでよ。」
そのとき、私はふと思い出した。
『先生』
あのとき、突き放された気がして、すごく悲しかった。
つらかったんだけど。
でも…。
…実は少しだけ、ドキッとしてしまった。
普段は見せないクールな表情にちょっとだけ見とれてしまったことは、内緒にしておこう…。
幸せな体温を感じながら、私はそう思った。