Y先生の乙女な不安-12
「由希ちゃんてば、今俺のに反応してイったでしょ?えっちぃ。」
「だって…ハルの、があんなおっきくなってたら…」
私だって、感じてしまう。
「…なぁんで由希ちゃんはそうやって俺を煽るかな。」
ハルは真剣な表情で私の顎を持ち上げて…
「あ。」
「え?」
ハルの不意打ちの声に、拍子抜けしてしまった。
「そいえばさー…。」
「な、何?」
ハルの顔が悪戯っ子のように笑っている。
「結局、テスト何点だったわけ?」
「あ、えと…。」
どうせ来週から返却されるわけだけど、なんとなく言いづらい。
「ね、俺の…すっごい良かったでしょ。」
耳元で意味ありげに囁く。
へ、変な言い方しないでよっ。
だけど、肝心の点数には口ごもってしまう。
ハルのテスト結果は…本当に良かったから。
「由希ちゃん、俺が頑張った分、頑張ってくれるよね?」
今日のハルの笑顔は、我慢してた分、黒い…。
「あ、あはは…。」
椅子ごと後ずさりしそうになる私をぎゅっと抱きしめる。
「全教科75以上で、世界史は80っつったよね?」
「う、うん。」
「現代文。」
そう言葉で尋ねながら、耳たぶを舐める。
「んっ…!な、何?!」
「いーからいーから。現代文は?」
「は、82点。」
「古典。」
「79点…んっ。」
「生物。」
「80て、ん…。」
「数学。」
「…っ…77点。」
「地理。」
「81点…ふぁっ。」
「英語。」
「ぁあ…、76、点。」
「…世界史」
「はぁ…っ!は、84てん…っ…。」
全ての点数を聞くと、ハルは満足気に笑って、耳たぶを甘噛みした。