エリザベスドール6-6
「そんなに嫌いなんだ。 でもどうして、ルークなの? あの男でなきゃ、駄目?」
「何よ、イケナイって言うの?」
「別に構わないけど…
あんな臆病でひ弱な男よりも、他にイイ男はイッパイいるじゃない?」
「私はルークがイイの」
「どうして?」
「あの男、正直者だし。 私の言う事、何でも聞いてくれそうだから」
「自分が男の上に立って優越感に浸りたいんだ?」
「まあね」
フレデリカらしい。
ルナが情報を話した。
「ルークをモノにするんだったら、今のうちよ」
「今のうち?」
「キャサリンが暫く、学校来ないみたいだし。
何だか知らないけど、ルークとキャサリンは別れたらしいって」
スージーが指をパチンと鳴らした。
「だったらフレデリカ、今がチャンスじゃない?
今度の週末はルークの誕生日だから…」
そして、週末土曜日…
口の達者なフレデリカは言葉巧みにルークを自宅に呼んだ。
ルークは、メイド嬢の案内で部屋に通された。
これが又、広い。
ちょっとしたホームパーティーが出来そうだ。
部屋ではフレデリカが1人、ピアノを弾きながらルークを待っていた。
フレデリカのもてなしに、ルークは戸惑いを隠せない。
しかも、男心をくすぐるような大人っぽいドレスで着飾っている。
豊満な胸の谷間がモロ見えだし。
目のやり場に困ってしまう。
2人のメイド嬢が食事の用意を始めた。
「フレデリカ、他のコたちは…まだ誰も来ないね?」
「ああ、ごめん。
実は、他のコたちは用事が出来て来れない…って言うの」
「え? 誰も?」
「みんな、ルークのバースデーを楽しみにしていたのに…、とても残念がってたわ」
「あ、あっそう!」
勿論、フレデリカが言った事は真っ赤なウソ。
ルークは何も知らず、ドキドキ気分に浸るだけである。
会食の準備が終わると、フレデリカはルークにワインを勧め、一緒に乾杯した。