エリザベスドール6-2
「ルーク」
シェリーがやって来た。
「キャサリンの様子は、どう?」
「相変わらずよ。ずっと、放心状態」
「そっかァ」
暗い気分になってしまう。
「警部さんとのやり取り、聞かせてもらった」
「シェリー自身は、どう思ってるかな?」
「エリザベスと言う動く人形の事?」
「警部さん、信用してくれなくて。頭に来るよ」
「あんな超常現象、信じろって言う方が無理かもよ。自分の目で確かめないと、納得しないと思う。特に警察はね」
「そうだろうな」
シェリーの考えに、一理はあるかもしれない。
「安心して。私は信じてるから」
「でもシェリーはまだ、人形が動いているところを見てないだろう?」
「私って、そう言った不思議な事には興味あるから」
「そっかァ。実はあの人形、ジミーを殺した」
「らしいわね」
「この話しも聞いてたんだね?」
「うん、しっかりと。
でも信じられない。
彼が人形に殺されたなんて」
「ルーク」
ジョナサンがやって来た。
「ロバーツさん」
「ちょっとイイかい?」
「何ですか?」
ジョナサンはしばらく、間を置いて話しを進めた。
「症状が完全に良くなるまで、娘を専門の医療施設に入れる事にした」
「入院ですか?」
「ああ、そうだ。その方が、娘の為にイイと思うからね」
「それがイイかも。
入院したら、連絡先を教えて下さい。時々、見舞いに行きます」
ジョナサン…
固い表情で言った。